100エーカーの森から【コンセプトソロアルバム】

くまのプーさんが住んでいるという100エーカーの森よりも、ちょっとだけ小さな「96エーカーの森」。
そこに住む動物たちや森の言い伝えを12曲の歌にしました。

全曲の歌詞とちょっとした解説を載せてみました。
タイトルをクリックすると出てきます。

  • アコースティックギター
  • エレキギター
  • バンジョー
  • エレキベース
  • アコーディオン
  • ハーモニカ
  • アルトサックス
  • キーボード
  • カシオレーター
  • リズムプログラミング(Q-base)

を一人でちまちまと演奏しています。

ハローサンシャイン ご機嫌いかが
草のしずくを キラリ
ハローサンシャイン 暖かい服
着せてくれてありがとう

食べるものが大きく育ってゆく
生きるために僕らは奪ってゆく
たくましくつつましく

ハローサンシャイン 透き通った空気
肺の奥まで とどき
ハローサンシャイン 身体を巡る
赤い血が喜んでる


僕らの森に、朝がやってきた。という歌。
イメージはキンクスのヴィレッジグリーンです。

初めて弾くバンジョーはとっても難しかった。
僕らは、命を食べている。
たくましく、つつましく生きて行きたいという願いをこめてます。

丘の上には 12本のサキソフォン
光を浴びて はためく青い旗
見渡す限り 花とみつばち
帽子が風に 飛ばされそうだ

STAND BY ME  STAND BY ME
僕のそばにいて
STAND BY ME  STAND BY ME
夢に逃げないで

ハモニカを吹く子供
巻き髪を揺らすリズム

 

小さな蜘蛛が 君の首を歩く
産毛の中を 旅するように
魔法の種を 植えた旅人
目印はほら あの山の影

STAND BY ME  STAND BY ME
目を閉じていても
STAND BY ME  STAND BY ME
過去に逃げないで

世を救う血が流れ
僕らは今キスをする

 

夜明け前の ソラのミルク
朝ご飯に 僕らは飲む

 

STAND BY ME  STAND BY ME
僕のそばにいて
STAND BY ME  STAND BY ME
座ったままで

潮騒は遥か彼方
憧れは捨てなくてもいい
ハモニカを吹く子供
森の中 進んでゆく

 


 
丘の斜面をなでて吹く風をイメージしました。
アコースティックな響きと、ちょっと童話的な世界。それも珍しく暗くない(笑)
憧れは捨てなくていいというのが言いたかった一言かな。
曲はこのアルバム用に作りました。頭の中にあったアレンジにかなり近いできでした。
地味だけど、案外無理やりなコード進行があったりして、好きです。

フィヨルドに囲まれ
畜肉を食し
凍った手袋
毛皮の帽子

血がにじむ指先
ごつごつの木の根
オーロラに群がる
金銀の虫達

麻薬を携えて
療養所についた
鉄の扉閉まる
白い夜が包む

スカンジナビア
スカンジナビア

 

針葉樹の涙
グラスの中にある
入り江の奥深く
きらりと光る

バイキングの船に
赤毛の娘達
ケルトの奴隷達
ノドを裂かれる

花束を隠して
彼女は合いに来た
鉄の扉開く
短い夜を往く

スカンジナビア
スカンジナビア


寒い、冬の海岸の歌を囲うと思ったんですが、なぜか場所はスカンジナビア半島に。フィヨルドも針葉樹もあるかどうかわからず地図を見ながら作って、あとで確認しました。針葉樹もきっとあるはず(笑)
主人公の男女が森の中の療養所にいる。
麻薬中毒で犯罪を犯した男に面会に来る彼女
ホスピスで最後を待つ男をたずねる恋人
どっちのシチュエーションかで描こうとしました。さてどう感じますか?

 

Fly&cry 続いてくらせん
Fly&cry 天使の羽音ひびく

湖の向こう ふさぎ込む大蛇
元気を出してなんて 誰が言えるの

Fly&cry

 

瞬きする間に世界は終わる
コップのミルクを飲み干す前に

ため息つく間に世界は変わる
あなたの手紙が読まれる前に

 

Fly&cry 雲の切れ間に浮かぶ
Fly&cry 悲しみ色の新月

小さな坊や 捨てられた道に
明かりを灯せなんて 誰が言えるの

Fly&cry


 
なぜ「ふらい~くらい~」と歌いだしたのか意味がいまだにわかりません。ギターのアルペジオに導かれてできた曲です。
暗い森の、湖のむこうでふさぎこんでいる大蛇。とても寂しい光景だと思います。
世の中は「元気を出して」って応援する歌ばかり。
ほんとに悲しんでる人にそんなこと、いえないよなと思って作りました。
世界なんて、ぱっと変わる。
だれにも止められない。

丸くて深い井戸の中
目を閉じてカエルは思う
光ない夜の静けさを
誰もが祈った日の事を

丸くて深い井戸の中
胸に手を当てカエルは思う
覗き込んだ少女の香り
異国の言葉で歌われる歌

呪文はいつか意味を失い
おとぎ話の中を漂う

 

丸くて深い井戸の中
息も密かにカエルは思う
遠い世界を夢見た日々を
細く消えてゆく飛行機雲を

丸くて深い井戸の中
月を見上げてカエルは思う
小鳥の落とした木の実から
広がる波紋の美しさ

飛行機乗りになりたかったよ
歌う事しかできないけれど

夢の波紋だけがまだひろがる
夢の波紋だけがまた帰ってくる

 


 
もし、カエルが井戸に落ちたら、そこで一生を終えるのかな?そう思ったときにこの歌はできました。貞子のおかげも少しあります(笑)
井戸の中から空を見るとまん丸に切り取られてる。そこから得る情報は少しかもしれないけど、カエルは好奇心のアンテナを広げて、いろんな世界を垣間見ます。
夢の波紋が帰ってくる~広がるというフレーズが好きですね。
かなわない夢はいきつもどりつして、そこにずっとあるんです。

物悲しい匂いの Nという海の国
王様はきょうも お戻りにならず
お妃はフォークやスプーンでオムレツを
ぐちゃぐちゃにかき回すディナー

町人は憂い 雲が空を覆い
犬も吠えるのをやめてしまった
灯台の守の あざらしがひとり
暗闇の海にお祈りをしてる

ナナニナナニノナナになになの

 

ぼくは拾われて 仕事をもらって
ここで暮らしてる とても幸せ
違う町では 僕は殴られて
いつも道ばたにころがされだ

海を見つめて 船を見つけて
モールス信号 打つのは楽しい
できればみんな そんな気持ちで
明日になればとお祈りをしてる

ナナニナナニノナナになになの

 

どこかで覚えた魔法の呪文
ほんとはでたらめ魔法の呪文
頭が悪いから魔法の呪文
唱える事しかぼくにはできない

ナナニナナニノナナになになの

 

物悲しい匂いの Nという海の国
王様はきょうも お戻りにならず
お妃は一人でベッドに沈んで
ぐちゃぐちゃにかき回す夜


 
レゲエアレンジをやってみたくて。すべての楽器は一発録音なので。ベースがえらく難しかったです。途中のサックスは、怒鳴り込まれるかビクビクしながらワンテイク(笑)さらっと聞くとわからないかもだけ、結構エロチックかも。
おまじないってきっと誰かが勝手に考えたものだと思うんです。それが伝えられるたびにいろんな思いが重なって、呪文になる。そんなことを考えながら作りました。

手のひらには乗らないくらいの
大きさの小さなゾウが

僕が帰ると玄関の前に
座って待っていた

ピンク色の肌をした
とてもかわいい小さなゾウ

鼻が少し短めで、
左右にぷるんぷるんと振っている

何か食べたいの?僕は聞いてみた

白くて柔らかい丸いパンが食べたい
小さなゾウ

はじめてみるテレビゲーム
はじめてたべる白いパン
はじめて聴くロックンロール
ピンクのゾウは目を丸くしてる
ちいさなゾウ

 

それからずっとぼくらは一緒に
いろんな遊びをしたんだ

オセロやトランプ
ドミノ倒しを喜んでた

ポーカーゲームにとても弱い
ピンク色の肌の 小さなゾウ

 

あるとき家に帰ると
小さなうめき声が聞こえた

「おーい。どこいったんだい」
と探す僕

お風呂の排水溝に
挟まって泣いてた 小さなゾウ

はじめてみる戦争映画
はじめてたべるホットケーキ
はじめて聴くパトカーのサイレン
ピンクのゾウはちょっと疲れてる
かわいそう

 

でもそれからぼくらは
簡単な旅支度して

京都や奈良に行ったんだ
車で歌を歌いながら

 

ある朝起きたら
手紙一枚のこして

いなくなっていた
ピンクのゾウ

小さな象牙のペンダント 
紙に包んでおいてた
小さなゾウ


 
玄関の前でピンク色の小さい象が僕の帰りを待っていた。本当にそんな夢を見たんです。この歌のお話は結末まですべて夢で見ました。とても寂しいけど不思議に幸せな夢。起きてすぐメモを取って完成させました。お風呂の排水溝に挟まって泣いていたのはフィクションです。別冊マンガジジで、漫画化もしました。このアルバムがでるまでも、いろんな所で歌って、たくさんの人に愛されている曲です。

眠いのに起こしたから怒ってるんだろ
聞き耳たててるのは 森のドラゴン
パジャマのままで 素足のままで

フライ・ウィズ・ミー
フライ・ウィズ・ミー
フライ・ウィズ・ミー

きっかけひとつ
お弁当ふたつ
朝日の昇る前に出かけたかったんだよ

 

夢を見てる子供たち繭のなかで
あたらしいルールばかり探してる
紫色の 境目の国

フライ・ウィズ・ミー
フライ・ウィズ・ミー
フライ・ウィズ・ミー

小さなはしごが
ひとつあればいい
きれいな空気の中出かけたかったんだよ

 

地図に載ってない町
行商のこない町
テレビもはいらない
あの雲を抜けたら見えてくるよ

 

背中に羽が生えてきた事を
今日まで黙っててごめんなさい
僕にだって わからないんだ

フライ・ウィズ・ミー
フライ・ウィズ・ミー
フライ・ウィズ・ミー

君とこうして
飛べるからいいんだ
夜が来る前でには帰らなくちゃね


 
背中に羽根がはえてきても、人にはいえないよなあという気持ちから作り始めました。真夜中に抜け出して、二人で空をとび、朝が来る頃帰ってくる。ロマンチックなデートソングだと思ってます。ここでは指で遊べるシンセが大活躍してます。まあ、一発勝負録音なので音程が見事に外れてますが、それはほら「浮遊感」ということで。

トロッコに乗って 山の奥へ
トロッコに乗って スピード出して
あのことふたりで いきたいな

小さな恋のメロディのように
ふたりでぎっこんばったん
スピードあげて
誰も来ない所まで いきたいな

奇麗な花が咲いてるかなんて
僕には関係ない

あのこが汗をかいてるなんて僕
には関係ない

ほんの少しだけ
日が射してきたようだよ

 

トロッコに乗って 山の奥へ
トロッコに乗って スピード出して
あのことふたりで いきたいな

錆びた線路 きーきー言っても
がんばって漕ごう
トロッコは僕らの

宇宙戦艦のように無敵さ

誰かが怒って見ているなんて
僕には関係ない

あのこが涙流してるなんて
僕には関係ない

 

ほんの少しだけ日が射してきたようだよ


  やっぱりロックンロールを入れたいなあと。これは96エーカーの森にやってきたロックバンドの演奏という設定です。内容はまあ、やっぱりデートソング。本当はこんなロックバンドでこんなギター弾くのが大好きなんですけど。すべて一発録音。ワンテイクです。 トロッコに乗っていくのは「小さな恋のメロディー」のネタです。大好きな映画。

古い木の看板の横の
細い道下ってゆくと
さらさら小川が流れてる

 

一日中お日様の当たる
特等席にたどりつくよ
お菓子をちょっとだけ
持っていこう

大事な話があるわけじゃないけど
ちょっと一緒にいたいんだ

君とあるけば
楽しいことばかり
家に帰れば
足が棒みたくなってるけど

君とあるけば
楽しいことばかり
美味しい水なら
両手でくもう

 

誰にも黙ってる事や
いままでした悪い事や
わすれられない出来事やなんか

一日中お日様のあたる
特等席ではなそうよ
もってきたお菓子食べながら

いつまでもこんなふうに
いられない事わかってる
でもそんな事なんて
考えたくない

君とあるけば
楽しいことばかり
家に帰っても
なんでも許せる気になるんだ

君とあるけば
楽しいことばかり
君はちょっぴり
のろまだけどね

 

道の脇に小さく咲いた
黄色い花を踏まぬように

君の花に小さくついた
キズの跡は消えてしまうさ

 

君とあるけば
楽しいことばかり
家に帰れば
足が棒みたくなってるけど

君とあるけば
楽しいことばかり
あしたもいい日で
ありますように


  そして、ロックバンドのライブを見た森の仲間たちは、自分たちもバンドをやり始めました。ギター、ベース、サックスと歌。サックスの普通の部屋での一発録音は緊張しました。みんなの歌のようなかわいい歌をつくりたい。これは妻とのデートソングですね。森のみんなで歌ってスイングできる曲にしあがったかな?地味だけど気に入ってます。

まごころという
小さな玉をもって
でかけよう

まんげつのよる
森を歩こう
ごはんの後で

なんとなく別れた友達
なんとなく言えなかった気持ち

あちらこちらからやってくる
みんな少し照れくさそうに

まごころは丸いから
転がっていかぬよに

 

まごころが 箱の中で
輝きはじめたら

少しだけ 立ち止まって
目を閉じてみよう

なんとなく悲しい気持ちや
なんとなく嬉しい気持ちが

たくさんたくさんよみがえる
みんな大事なきのうの出来事

まごころはやわいから
弾けてしまわぬように

 

星があくびをしはじめて

森がおしゃべりをやめるころ

朝日がのぼるその前に

そのまま夢の中にいこう

 

まごころは丸いから 転がっていかぬよに


  この曲が最大の難関でした。あるカフェの主催する「絵本よみきかせ」に音楽で参加したときに聞いたお話がヒントになっています。曲はすっとできたけど、アレンジが全然きまらならなくて。4バージョンあったんです。いまならもっとうまくできるかもしれないですが。甲子園の応援曲のイメージです。この曲をはずしてアルバムを作ろうかとも思ったんですが、やっぱり必要なピースなので。まごころは丸いから転がっていかないように。って割といい歌詞だと思うんです。

小さな川の 上にかかった
小さな橋の 上で僕らは
静かな川の 流れを見てた
小さな橋の 上で僕らは

 

小さな川は 静かに流れ
僕ら黙って 流れを見てた
流れの中に 僕らが見えた
少し歪んだ 僕らが見えた

 

小さな橋の 上で僕らは
何も言わずに 流れを見てた
君とお別れ するのだけれど
僕らお別れ するのだけれど


 
少年期を過ぎて大人になる。別れを告げて次のステップへいく。人生の節目節目で思い悩み考える。そんな人間を川は静かに見守っているんです。不安はそのまま不安なままで。
エンドロールです。
ほんとうはこの寂しい感じのあとに、NG集とかあるといいんですけどね。